バリューを共通言語にする“カプセルトイ”設計の裏側

新しく制定したミッション・バリュー・ビジョン(MVV)を浸透させるためにAmebaLIFEのカルチャー推進室が仕掛けたのは、誰もが思わず笑顔になる“カプセルトイ”という体験でした。 今回は、この施策を形にした梅本拓馬さんに、遊び心あふれる仕組みの裏側にある「温かな組織づくり」への想いを語ってもらいました。

登場人物

  • 梅本 拓馬
    AmebaLIFE事業本部 カルチャー推進室 責任者。MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)浸透など、組織文化の構築を担う。

自然な「共通言語」をつくるための工夫

――今回、バリューを広める手段としてカプセルトイを選んだのは、どういったきっかけだったのでしょうか?

梅本:組織が新しくなり、みんなで目指す方向であるMVVをしっかり根付かせたいという時期だったんです。特にバリューである「AmebaLIFE line」は日々の行動の指針なので、一番大切にしたい部分でした。ただ、会社が決めた言葉を上から押し付けて、テスト勉強のように覚えさせてしまうのは、なんだか違うなと感じていて。

AmebaLIFEのバリュー「AmebaLIFE line」

――「やらされている感」が出てしまうと、浸透はしにくいですよね。

梅本:そうなんです。理想は、普段の業務の中でバリューを意識していることが当たり前になっている状態です。そんな「共通言語」を作るために、お互いをポジティブに認め合えるきっかけが欲しかったんです。

――そこでカプセルトイというワクワクする形にたどり着いたのですね。

梅本:はい。上司がメンバーを褒めるとき、いきなり「今のバリューに沿っているね」と言うのは、ちょっと照れくさかったり、わざとらしく感じたりしますよね。

でも、カプセルトイをきっかけとして使うことで「今の動き、すごく良かったからメダルを渡すね」といったように、お互いに自然なやり取りが生まれます。何が出るかわからない楽しさや、サービスロゴが入った限定アイテムなど、大人でも純粋に「欲しい!」と思える要素を散りばめて、ポジティブなループを作りたいと考えたんです。

バリューを体現すると配られるカプセルトイのコイン

注力領域と連動させた第2弾の狙い

――2025年12月までの第1弾を終えて、社内の反応はいかがでしたか?

梅本:アンケートの結果、バリューの浸透度は大幅に向上しました。私たちの想いがみんなに届いている実感が持てたので、その熱を絶やさないよう、年明けからすぐに第2弾を動かしました。一度きりのお祭りで終わらせず、しっかり文化として染み付かせたかったんです。

第1弾はなんと246回も回されました!

――第2弾では、さらに新しい視点も加わったと伺いました。

梅本:ただ言葉を覚えるだけでなく、実際の仕事の成果にもつなげていきたいと考えました。そこで、今組織として全力で取り組んでいる「AI」というテーマを掛け合わせたんです。AmebaLIFEには「AI相撲部屋※」というプロジェクトがあるのですが、これをガチャを使って促進させたいと考えたんです。

※組織全体でAI活用に取り組むプロジェクト

――具体的には、どのような工夫をされたのですか?

梅本:AI相撲部屋のキャラクターをガチャの景品に入れたり、組織内のAI戦略室のメンバーが直接メダルを配ったりしました。自分たちの組織がAIという新しい分野で頑張っていることを実感できれば、自然とバリューの一つである「前向きで前のめり」な空気が生まれます。こうした成功体験の積み重ねが、結果として良いサービスづくりや、新しい仲間を迎え入れる力につながっていくと信じています。

第二弾のキーホルダー

楽しげな施策の裏に緻密な戦略

――お話を伺っていると、楽しそうな施策の裏側に、とても緻密な戦略があると感じます。

梅本:実は、裏側ではかなり定量的な分析もおこなっています。どのチームで何枚メダルが配られたかを把握して、それをバリューの理解度と照らし合わせているんです。実際にデータを見てみると、メダルがたくさん動いているチームほど、バリューが深く浸透しているという結果も出ていました。

――データという根拠があるからこそ、納得感を持って進められるのですね。

梅本:経営会議などでも、「組織が活性化しているのは、リーダーがしっかり言葉を発信してメダルを配っているからですよ」と伝えています。ただ、現場のみんなにはそんな難しい裏側は意識してほしくないんです(笑)。

――あえて「知らないまま」でいてほしい、と。

梅本:そうです。あくまで「みんなで楽しんでいたら、いつの間にか素敵な文化ができていた」という状態が一番いい。そこは私たちが責任を持って、影でしっかり支えていきたい部分です。

――これからの展望を教えてください。

梅本:今後は、こうして磨き上げてきた自分たちの文化を、外の世界へもどんどん発信していきたいです。「Ameヨコ」などを通じて、私たちのバリューや熱量を知ってもらい、共感してくれる仲間を増やしていく。それが、これからの新しい挑戦ですね。